ECサイト|2026.04.11

「久原本家」トップページの表示速度ボトルネック研究

画像フォーマットが未最適化、テキストリソースのGZIP圧縮が未適用、CSSファイルの分散などのボトルネックが観測され、これらを解消するシミュレーションではLighthouseスコアが70から最大100まで変化する結果が得られました。Core Web Vitalsの大幅な改善が期待できます。

久原本家

https://www.kubara.jp/|調査日: 2026-03-13

より詳しいレポートについてはこちらを参照ください。

この研究は自主的に実施したものであり、サイト関係者からの依頼によるものではありません。掲載の取り下げを希望される場合はお問い合わせください。

久原本家

茅乃舎(かやのや)の「だし」や、博多椒房庵の明太子などで知られる久原本家グループの公式通販サイトです。モバイル環境での表示速度について、どのような要素がボトルネックとなっているのかを研究するため、解消シミュレーションを実施しました。

Core Web Vitalsにつながる指標の改善ポテンシャル

観測されたボトルネックを仮に解消した場合、Lighthouse スコアは以下のような変化を示しました。

観測時点全ボトルネック解消シミュレーション後
観測時点シミュレーション後
指標観測時点解消シミュレーション後変化量
総合スコア70100+30
LCP18.5秒0.1秒-18.4秒
FCP0.2秒0.1秒-0.1秒
SI5.9秒0.9秒-5.0秒
TBT79ms0ms-79ms
CLS0.0000.056+0.056

総合スコア が70から100へと30ポイント変化するシミュレーション結果を得ました。特に LCP(Largest Contentful Paint = ページの主要コンテンツが表示されるまでの時間)が18.5秒から0.1秒へと劇的な変化を示しており、表示速度を大きく制約していたボトルネックの存在が読み取れます。なお CLS(Cumulative Layout Shift = レイアウトのずれ)は0.056の増加が見られますが、Lighthouse の「良好」基準(0.1以下)を十分に満たす範囲にとどまっています。

読み込みプロセスの変化を動画で体験

本サイトでは、観測時点で一度途中までレンダリングが進んだ後、描画プロセスが巻き戻ったように見えてから再度進行する様子が確認できます。これはおそらく何らかのサードパーティータグの影響と推測されますが、いずれにせよコンテンツが確定するまでにかなりのタイムラグが見られます。一方、解消シミュレーション後はページの全体像がかなり早いタイミングで確定して表示されるように変化しています。

サードパーティータグの影響

本研究ではまず、サードパーティータグを段階的に除去することで、タグ全体が表示速度に与えている影響を観測しました。あわせて、タグ由来のノイズを取り除くことで、サイト自体のボトルネックを観察しやすくする狙いもあります。タグを完全に除去することは現実的でないものの、最適化によってどこまでの改善ポテンシャルがあるかを把握する材料としてご覧ください。

本セクションは「サードパーティータグがページスピードに影響を与えている」という現実を数値で示すとともに、それらを最適化することでどれだけのスピード改善ポテンシャルがあるかを示唆するものです。

リソース数の内訳(サイト固有 vs サードパーティタグ)

オリジナルページの全316リソースのうち、サイト固有のリソースは155件(約5割)、サードパーティタグ由来のリソースは161件(約5割)を占めていました。ページスピードのボトルネックを正確に把握するには、まずこの5割のタグを取り除いてサイト固有のパフォーマンスを分離する必要があります。

本サイトではHTMLから直接読み込まれているタグと、Google Tag Manager 経由で読み込まれているタグの2系統が確認されました。

HTMLから直接読み込まれているタグ

タグ名種別
AB TastyA/Bテスト
SprocketWeb接客・ヒートマップ
Facebook SDKSNS連携
Twitter ウィジェットSNS連携
GTM-K5TLG5HD(Optimize Next)タグ管理・最適化
GTM-NZBKD3(メインGTM)タグ管理

GTM-NZBKD3 経由で読み込まれているタグ

タグ名種別
Google Analyticsアクセス解析
Google Ads広告計測
Microsoft Clarityヒートマップ
Bing UET広告計測
Yahoo広告広告計測
ContentsquareUX分析
ValueCommerceアフィリエイト
その他約13種類各種計測・広告

HTMLに直接記述されたタグとGTM経由のタグを合わせると、約26種類のサードパーティータグが導入されていました。段階的に除去した際の指標変化は次のとおりです。

除去段階総合スコアLCP主な変化
観測時点(タグあり)7018.5秒-
AB Tasty 除去7115.9秒LCP約2.6秒短縮
Sprocket 除去7017.9秒FCP改善、LCPはタグ間相互作用で変動
Facebook SDK / Twitter 除去7114.8秒TBTが79msから0msへ
GTM-K5TLG5HD(Optimize Next)除去970.1秒LCPが14.8秒→0.1秒に劇的変化
GTM-NZBKD3(メインGTM)除去1000.1秒SIが4.6秒→0.9秒に短縮

サードパーティータグを全て除去した状態では、総合スコア は70から100へ変化し、LCP は18.5秒から0.1秒、SI は5.9秒から0.9秒まで短縮される結果が得られました。特に Optimize Next(GTM-K5TLG5HD)はCSSの visibility:hidden でページ全体を最大2秒間非表示にする処理を行っており、単体で LCP を14秒以上遅延させていたことが観測されました。これはあくまで上限値ですが、サードパーティータグの最適化には無視できない改善ポテンシャルの存在が読み取れます。

サイト固有のボトルネック

サードパーティータグの影響を切り離した状態を起点として、サイト固有のボトルネックを調査しました。本研究では全9件のボトルネック仮説を検証しました。その中から、特に注目すべき3件を紹介します。

なお、サードパーティータグ除去後の時点で 総合スコア は既に100に達しており、サイト自体のHTML・CSSの構成は効率的であることが確認されています。以下のボトルネックは、スコアには大きく反映されないものの、転送効率やリソース取得の最適化という観点で影響が観測されたものです。

ボトルネック1: 画像フォーマットが未最適化

観察された状況

ページ内で使用されている107枚のJPEG/PNG画像が、従来のフォーマットのまま配信されていました。画像データの合計サイズは6.13MBに達しており、ページ全体の転送サイズ(11.98MB)の約半分を画像が占めていました。

解消シミュレーションの方法

全107枚の画像をWebP形式に変換しました。JPEG画像にはロッシー変換、PNG画像にはロスレス変換を適用し、視覚的な変化がないこと(Diff Percent 0.00%)を確認しています。

シミュレーション結果

指標解消前解消後変化量
LCP0.1秒0.1秒-0.01秒
FCP0.1秒0.1秒-0.01秒
画像サイズ合計6.13MB1.84MB-4.29MB(69.9%削減)
転送サイズ合計11.98MB7.59MB-4.39MB(36.6%削減)

Lighthouse のスコアへの反映は限定的でしたが、画像サイズが約70%削減され、ページ全体の転送サイズも約37%減少する結果が得られました。低速回線環境でのユーザー体験に影響を与えうるボトルネックであったことが、転送サイズの変化量から読み取れます。

ボトルネック2: テキストリソースのGZIP圧縮が未適用

観察された状況

kubara.jp ドメインから配信されているHTML・CSS・JavaScriptなどのテキストリソース65件に、GZIP 圧縮が適用されていない状態でした。

解消シミュレーションの方法

対象の65件のテキストリソースに GZIP 圧縮を適用しました。

シミュレーション結果

指標解消前解消後変化量
SI0.9秒0.9秒-0.01秒
転送サイズ合計14.43MB11.98MB-2.45MB(約17%削減)

スコアへの直接的な影響は小さいものの、転送サイズの約17%削減という結果が得られました。GZIP 圧縮はサーバー設定で適用できるインフラ層のボトルネックであり、サイトの機能や見た目にはまったく影響を与えません。

ボトルネック3: CSSファイルの分散

観察された状況

ページのスタイルシートが9個のCSSファイル(base.cssstyle.cssmodule.csssystem.cssswiper.css など)に分散して読み込まれていました。CSSはレンダリングブロックリソースであり、すべてのCSSファイルのダウンロードが完了するまでページの描画が開始されません。

CSSファイル分散によるレンダリングブロックの仕組み
CSSファイル分散によるレンダリングブロックの仕組み

解消シミュレーションの方法

9個のCSSファイルを1ファイルに結合し、HTTPリクエスト数を削減しました。

シミュレーション結果

指標解消前解消後変化量
LCP0.1秒0.1秒変化なし
SI0.9秒0.9秒-0.01秒

スコアの変動は微小でしたが、HTTPリクエスト数の削減によりブラウザのリソース取得効率の向上という結果が得られました。レンダリングブロックリソースの数を減らすことで、描画開始までの待ち時間に影響を与えていたボトルネックであったことが構造的に読み取れます。

なお、CSSの統合・1ファイル化は、現在では HTTP/2 の普及などにより必ずしも有効なプラクティスとは限りません。今回のシミュレーションのように良好な結果が観測されることもありますが、参考程度にとどめてください。

まとめ

本研究では、久原本家通販サイトのトップページにおける表示速度のボトルネックを観察しました。

最も大きな影響を与えていたのはサードパーティータグであり、特に Optimize Next(GTM-K5TLG5HD)は visibility:hidden によるページ非表示処理で LCP を14秒以上遅延させていました。メインGTM(GTM-NZBKD3)経由の約20種類のタグも SI を3.7秒以上遅延させる要因となっていました。サードパーティータグを全て除去した状態では 総合スコア が70から100へ、LCP が18.5秒から0.1秒へ変化するシミュレーション結果が得られています。

サイト自体のHTML・CSS構成は効率的であり、サードパーティータグ除去後の時点で 総合スコア 100に到達していました。サイト固有のボトルネックとしては、画像フォーマットの未最適化(69.9%の画像サイズ削減ポテンシャル)、GZIP 圧縮の未適用(17%の転送サイズ削減)、CSSファイルの分散(9ファイル→1ファイル)が観測されましたが、いずれもスコアへの反映は限定的でした。この結果から、本サイトの表示速度に対してはサードパーティータグが圧倒的に大きなボトルネックであったことが明確に読み取れます。

久原本家

https://www.kubara.jp/|調査日: 2026-03-13

より詳しいレポートについてはこちらを参照ください。

この研究は自主的に実施したものであり、サイト関係者からの依頼によるものではありません。掲載の取り下げを希望される場合はお問い合わせください。

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