メディアサイト|2026.04.07

「弁護士ドットコム」トップページの表示速度ボトルネック研究

パブリックCDNリソースが外部ドメインから配信されている、head内同期スクリプトによるレンダリングブロック、未使用CSSの蓄積などのボトルネックが観測され、これらを解消するシミュレーションではLighthouseスコアが99から最大100まで変化する結果が得られました。Core Web Vitalsには若干の改善余地が残ります。

弁護士ドットコム

https://www.bengo4.com/|調査日: 2026-03-19

より詳しいレポートについてはこちらを参照ください。

この研究は自主的に実施したものであり、サイト関係者からの依頼によるものではありません。掲載の取り下げを希望される場合はお問い合わせください。

弁護士ドットコム

弁護士ドットコムは、602万件以上の法律相談実績を持つ日本最大級の法律ポータルサイトです。無料法律相談、弁護士検索、法律Q&Aなど、法律に関する幅広いサービスを提供しています。モバイル環境でのトップページの表示速度について、どのような要素がボトルネックとなっているかを研究しました。

Core Web Vitalsにつながる指標の改善ポテンシャル

観測されたボトルネックを仮に解消した場合、Lighthouse スコアは以下のような変化を示しました。

指標観測時点解消シミュレーション後変化量
総合スコア99100+1
LCP1.7秒0.1秒-1.6秒
FCP1.6秒0.1秒-1.5秒
SI2.6秒0.9秒-1.7秒
TBT0ms0ms変化なし
CLS0.0000.000変化なし
観測時点解消シミュレーション後
観測時点シミュレーション後

総合スコア は観測時点で既に99と高水準でしたが、LCP(Largest Contentful Paint = ページの主要コンテンツが表示されるまでの時間)は1.7秒、FCP(First Contentful Paint = 最初のコンテンツが表示されるまでの時間)は1.6秒と、ファーストビューの描画には時間がかかっている状態でした。ボトルネックを解消するシミュレーションでは、LCP が0.1秒、FCP が0.1秒まで変化するという結果が得られています。

読み込みプロセスの変化を動画で体験

本サイトは観測時点でも十分に高速ですが、解消シミュレーション後はそれよりさらにワンテンポ早く表示されるようになった様子が見て取れます。

サードパーティータグの影響

本研究ではまず、サードパーティータグを段階的に除去することで、タグ全体が表示速度に与えている影響を観測します。あわせて、タグ由来のノイズを取り除くことで、サイト自体のボトルネックを観察しやすくする狙いもあります。タグを完全に除去することは現実的ではありませんが、最適化によってどこまでの改善ポテンシャルがあるかを把握する材料としてご覧ください。

本セクションは「サードパーティータグがページスピードに影響を与えている」という現実を数値で示すとともに、それらを最適化することでどれだけのスピード改善ポテンシャルがあるかを示唆するものです。

リソース数の内訳(サイト固有 vs サードパーティタグ)

オリジナルページの全199リソースのうち、サイト固有のリソースは58件(約3割)、サードパーティタグ由来のリソースは141件(約7割)を占めていました。ページスピードのボトルネックを正確に把握するには、まずこの7割のタグを取り除いてサイト固有のパフォーマンスを分離する必要があります。

弁護士ドットコムのトップページでは、16種類のサードパーティータグが確認されました。

HTMLから直接読み込まれているタグ

タグ名種別
VWO (Visual Website Optimizer)A/Bテスト
Criteoリターゲティング広告
Datadog Logsエラー監視/ログ収集
Microsoft Bing UET広告トラッキング
Facebook Pixel広告トラッキング
Twitter Conversion Tracking広告トラッキング
Google広告 (GPT/DFP)広告配信
Google Tag Managerタグマネージャー

GTMまたはGPT経由で読み込まれているタグ

タグ名種別
Google Analyticsアクセス解析
Microsoft Clarityヒートマップ
Yahoo広告広告
MicroAd広告
Cookie Sync系等4サービストラッキング

段階的に除去した際の指標の推移は次のとおりです。

除去段階LCPFCPSI総合スコア
観測時点(タグあり)1.7秒1.6秒2.6秒99
VWO 除去1.7秒1.6秒2.3秒99
Criteo Datadog Bing UET 等5サービス除去1.2秒1.1秒1.9秒100
Google広告 (GPT/DFP) 除去1.3秒1.2秒1.7秒100
Google Tag Manager + Google Analytics 除去1.2秒1.1秒1.6秒100

サードパーティータグを全て除去した状態では、LCP が1.7秒から1.2秒へ、FCP が1.6秒から1.1秒へ、SI が2.6秒から1.6秒へ変化する結果が得られました。特に Criteo Datadog 等の広告トラッキングタグ群の一括除去では LCP が約0.5秒短縮されており、この段階の影響が最も大きいことが読み取れます。これはあくまで上限値であり、実際にはこの一部しか実現できないとしても、サードパーティータグの最適化には無視できない改善ポテンシャルがあることが読み取れます。

サイト固有のボトルネック

サードパーティータグの影響を切り離した状態を起点として、サイト固有のボトルネックを調査しました。本研究では全10件のボトルネック仮説を検証しました。その中から、特に影響の大きかった3件を紹介します。

ボトルネック1: パブリックCDNリソースが外部ドメインから配信されている

外部ドメイン vs 同一ドメインのリソース取得コスト
外部ドメイン vs 同一ドメインのリソース取得コスト

観察された状況

polyfill-fastly.ioajax.googleapis.comcdnjs.cloudflare.com という3つの外部ドメインからJavaScriptライブラリが読み込まれている状態が観測されました。外部ドメインからリソースを読み込む場合、ドメインごとに DNS ルックアップと TLS ハンドシェイクのオーバーヘッド(各100〜300ms程度)が発生します。実際に polyfill.min.js のTTFBは463ms、jquery.min.js のTTFBは468msと、接続確立に要する時間が計測されていました。

解消シミュレーションの方法

3つのパブリックCDNリソースをHTMLと同一ドメイン(www.bengo4.com)から配信する変更を加え、その影響を計測しました。同一ドメインであれば、HTMLの取得で既に確立済みのHTTP接続が再利用でき、さらにHTTP/2の多重化によって複数リソースの並列ダウンロードも効率化されます。

シミュレーション結果

指標解消前解消後変化量
LCP1.2秒0.2秒-1.0秒
FCP1.1秒0.2秒-0.9秒
SI1.6秒1.1秒-0.5秒

LCP が1.2秒から0.2秒へ、FCP が1.1秒から0.2秒へと大きく変化しました。外部ドメインへの接続コストが描画速度に与えていた影響の大きさが、このシミュレーション結果から明確に読み取れます。

ボトルネック2: head内同期スクリプトによるレンダリングブロック

観察された状況

<head> 内で polyfill.min.jsjquery.min.jsdeferasync 属性なしで同期的に読み込まれている状態が観測されました。同期スクリプトはHTMLパーサーがスクリプトの読み込みと実行を待つため、後続のCSSやコンテンツの描画がブロックされます。

解消シミュレーションの方法

2つのスクリプトに defer 属性を付与し、HTMLパースと並行してダウンロードし、パース完了後に実行する形に変更しました。

シミュレーション結果

指標解消前解消後変化量
LCP0.2秒0.2秒変化なし
FCP0.2秒0.1秒-0.1秒
SI1.1秒0.7秒-0.4秒

SI(Speed Index = ビューの視覚的な表示進捗の速さ)が1.1秒から0.7秒へ変化しました。LCPFCP への影響は軽微でしたが、SI の変化から、同期スクリプトによるレンダリングブロックがページの描画速度全体に影響を与えていたことが読み取れます。

ボトルネック3: 未使用CSSの蓄積

観察された状況

結合済みCSSファイルの非圧縮サイズが758KBに達しており、トップページで実際に使用されていないCSSセレクタが大量に含まれている状態が観測されました。CSSファイルが大きいほど、ブラウザがCSSOM(CSSの解析結果をもとに構築する内部データ構造)を構築する時間が長くなり、レンダリングの開始が遅延します。

解消シミュレーションの方法

トップページで使用されていないCSSセレクタを除去し、CSSファイルサイズを758KBから144KB(81%削減)に縮小しました。gzip転送サイズも111KBから21KBに削減されています。

シミュレーション結果

指標解消前解消後変化量
LCP0.1秒0.1秒変化なし
FCP0.1秒0.1秒変化なし
SI0.9秒0.9秒変化なし

CSSファイルサイズを81%削減したにもかかわらず、Lighthouse の指標値には目立った変化が観測されませんでした。これは、この時点で既に LCP 0.1秒・FCP 0.1秒と十分に高速な状態まで最適化が進んでおり、CSSパース時間の短縮が指標に反映されにくい状況であったためと考えられます。ただし、gzip転送サイズが111KBから21KBに削減されたことは、ネットワーク帯域の消費やモバイル環境でのデータ通信量に影響する要素であり、表示速度とは別の観点で意味のある変化です。

まとめ

弁護士ドットコム(bengo4.com)のトップページは、観測時点で 総合スコア 99と高水準な一方、LCP 1.7秒・FCP 1.6秒と、ファーストビューの描画に要する時間にはボトルネックが存在していました。

本研究で観測されたボトルネックとその影響は次のように整理できます。

  • サードパーティータグ(16種類): 段階的な除去によって LCP が0.5秒、FCP が0.5秒、SI が1.0秒変化。特に Criteo Datadog 等の広告トラッキングタグ群の影響が大きく観測されました。
  • パブリックCDNリソースの外部ドメイン配信: 同一ドメイン化によって LCP が1.0秒、FCP が0.9秒変化。3つの外部ドメインへの接続コストがファーストビュー描画の最大のボトルネックでした。
  • head内同期スクリプトのレンダリングブロック: defer 属性の付与によって SI が0.4秒変化。

全ボトルネックの解消シミュレーションを重ねた結果、LCP は1.7秒から0.1秒へ、FCP は1.6秒から0.1秒へと変化しました。総合スコア が99と既に高い水準にあっても、ファーストビューの描画速度には大きな改善余地があったことが、この一連のシミュレーションによって観測された形です。

弁護士ドットコム

https://www.bengo4.com/|調査日: 2026-03-19

より詳しいレポートについてはこちらを参照ください。

この研究は自主的に実施したものであり、サイト関係者からの依頼によるものではありません。掲載の取り下げを希望される場合はお問い合わせください。

弁護士ドットコム
参考になりましたか? ぜひシェアしてください!

関連記事

「毎日新聞」トップページの表示速度ボトルネック研究
メディアサイト2026.04.10

「毎日新聞」トップページの表示速度ボトルネック研究

CSSが別ドメインから配信されている、JPEG/PNG画像がWebP未変換、Google Fontsがレンダリングをブロックしているなどのボトルネックが観測され、これらを解消するシミュレーションではLighthouseスコアが65から最大100まで変化する結果が得られました。Core Web Vitalsの大幅な改善が期待できます。

「CNET Japan」トップページの表示速度ボトルネック研究
メディアサイト2026.04.09

「CNET Japan」トップページの表示速度ボトルネック研究

パブリックCDNリソースの外部ドメイン配信、画像フォーマットの未最適化、Google Fontsの@importによるレンダリングブロックなどのボトルネックが観測され、これらを解消するシミュレーションではLighthouseスコアが74から最大100まで変化する結果が得られました。Core Web Vitalsの大きな改善が期待できます。

「電撃オンライン」トップページの表示速度ボトルネック研究
メディアサイト2026.04.04

「電撃オンライン」トップページの表示速度ボトルネック研究

LCP画像のloading属性、複数CSSの分割配信などのボトルネックが観測され、これらを解消するシミュレーションではLighthouseスコアが95から最大100まで変化する結果が得られました。Core Web Vitalsの顕著な改善が期待できます。

「ライフハッカー日本版」トップページの表示速度ボトルネック研究
メディアサイト2026.04.03

「ライフハッカー日本版」トップページの表示速度ボトルネック研究

Next.jsハイドレーションスクリプトによるレイアウトシフト、Google Fontsによる欧文Webフォント読み込み、別ドメインから配信されていた `CSS`などのボトルネックが観測され、これらを解消するシミュレーションではLighthouseスコアが92から最大99まで変化する結果が得られました。Core Web Vitalsの顕著な改善が期待できます。

「日経電子版」トップページの表示速度ボトルネック研究
メディアサイト2026.04.02

「日経電子版」トップページの表示速度ボトルネック研究

画像CDNのオリジンがシカゴに配置されている、不要な画像preloadが帯域を圧迫しているなどのボトルネックが観測され、これらを解消するシミュレーションではLighthouseスコアが77から最大100まで変化する結果が得られました。Core Web Vitalsの大きな改善が期待できます。

「ニューズウィーク日本版」トップページの表示速度ボトルネック研究
メディアサイト2026.03.29

「ニューズウィーク日本版」トップページの表示速度ボトルネック研究

head内の同期スクリプト、LCP画像の遅延読み込み設定、複数CSSファイルの分散などのボトルネックが観測され、これらを解消するシミュレーションではLighthouseスコアが62から最大100まで変化する結果が得られました。Core Web Vitalsの大幅な改善が期待できます。